東京都立国立高校野球部OB会のサイトです。

代表寄稿(H17卒 谷田部さん)

2019年のOB戦、総会ともにお疲れさまでした。宮本体制から横山体制と代わり、監事を務めさせていただくことになりました。平成卒業生はただ一人の役員、少しでもOB会に貢献できればと思います。

2018年春、北海道勤務を終えて実家の狛江へ戻りました。以前よりOB会活動に参加したかったのですが地理的事情で参加できず、2019年1月にようやく幹事会デビューとなりました。幹事会では改めて先輩方の国高愛を感じるとともに、大先輩方にOB会運営を任せきりにしていた事実を知り、反省する次第でした。卒業から十数年となり、若い世代のOBこそ率先して野球部への恩返しを果たすべきではないかと考えさせられました。

大先輩達に続く寄稿を私が受けることになったことは僭越ではございますが、先日に横山会長からご指名いただきましたので書かせていただきます。

■人は、なぜ国立高校を目指すのか。

我々世代の部員の多くは「野球部」が理由であったと記憶しています。都内に名だたる進学校数多あれど、文武両道、甲子園出場を成せる都立校は自惚れではなく国立高校だけなのです。かの、甲子園出場は時を越えても燦然と輝く偉業であります。我々もまた「都立の星」の光に誘われて各地より国高を目指してきた球児のひとりでありました。

憧れの国高野球部、一年生の時は練習時のお手伝いはもちろん、新入生用の練習をこなして過ごしました。ガイシュウ、イチネンアップ、キホンドウサ、ハンセイカイと聞き慣れない練習メニューに追われていた当時は、あまり余裕のあるものではなく、筋肉痛と授業中の睡魔との戦いの日々でした。

当時の首脳陣は秋森監督、池上先生のお二人です。そこに小林トレーナーが加わって三人体制になったのは二年生の頃だったと記憶しています。

三人の指導者がいた我々は非常に恵まれていました。各分野に精通する指導者がいるか、いないかで公立校の限られた時間と環境での成熟度は大きく変わります。

秋森監督は「明るく、楽しく、元気よく」を合い言葉にチームを運営され、進塁を重視した打撃とバントなどぶれない戦い方を我々に徹底されていました。

池上先生はノックの名手でありまして、打撃投手としては本気で我々選手と勝負をする程に熱い指導を頂きました。

小林トレーナーには強豪校でプロ育成の経験もあるトレーナーで、我々のフィジカルをひと冬で大きく改善してくださいました。

言うなれば心技体の指導者がいたのです。当時は気がつきませんでしたが、我々は前後数世代の中で最も恵まれ、充実した指導体制の下で育てられたらと言っても過言ではありません。公立軟式多数、シニア経験数名、未経験若干名の我々世代が勝ち進めたのも、この環境によるものだと思います。

新チームとなった秋大会の敗戦で「近年最弱」と言われてしまった日より、我々は努力しました。スコアが手元に残ってはおりませんが、練習試合での十数連勝や強豪私立からの勝利など三人の指導者のもとで着実に成長していったのです。

その中で育てられたら自信を、最後の夏季大会要項にあるチーム紹介で下記のように書かせていただきました。

冬は言わば堅忍不抜、ただひたすら己を鍛え抜く。

 春は言わば切磋琢磨、友と互いに磨き合う。

 晩春、初夏は戦いに明け暮れ、得た自信の揺るぎない事は地に深く根を張る巨樹の如し。

 そして夏、我らは大輪の花を咲かせる。

漢文の授業中に作成したと思います。堅忍不抜と切磋琢磨と言う言葉がチームを語るにピッタリだと感じたのです。自信過剰でこの紹介文にしたわけではありません。こんな言葉で自チームを語れるくらいに、私はチームに強い自信がありました。

一番 俊足巧打 坂口

二番 犠打・守備職人 奥山

三番 野球の天才 山本(翔)

四番 頼れるサード 丹羽

五番 打撃の神様 瀧田

六番 驚異の身体能力 荒谷

七番 可愛い顔 湯本

八番 エース 杉山

九番 四死球・守備の名手 原田

以上を基本メンバーに日替わりヒーローで勝ち進んでいきました。

創価戦の黒川(当時2年生)や、代打の切り札・私です。

初戦の都秋留台30-0から勢いにのり、都調布北、創価、法政一高、日大鶴ケ丘、穎明館と徐々に難敵と戦っていった印象です。練習試合で勝利した相手、経験した相手と当たった点については、くじ運がよかったとも言えます。

さてして、夏の大会、我々は甲子園出場以来のベスト4となりました。

目的地までは届きませんでしたが、神宮の地で戦えた経験は大きな自信となりました。

未だに「あの時のベスト4世代」と呼んで頂けることは幸せなことであります。

運命の巡り合わせで、当時のメンバーが集い、3人の指導者のもとで育ち、西東京に大輪の花を咲かせることができたのです。

◆多摩一本杉球場 対法政一高戦 サヨナラ勝ちで歓喜するスタンド

 

■OB会は、現役世代に何をすべきなのか。

私の現役時代は故・市川監督を筆頭にOBの方がよく顔を出してください、練習の支援をして頂きました。当時は紐のほどけたボールや、折れたバットをテーピングしてティーバッティングをしていましたので、OB会から支援して頂いた備品や、新しいボールには大変感謝をしていました。

時は変わりまして現在のOB会の立場は難しいようです。教育現場の制度改革が続き、安易にOB会が部活動に介入できない状況だということを幹事会で教えて頂きました。危機管理の面から仕方のない問題ではありますが残念でなりません。

国立高校への入学が年を重ねて難しくなるように、西東京大会で勝ち進むこともどんどん難しくなっています。それは強豪私立の科学的で効率的なトレーニングの影響です。

テレビで見る強豪私立はプロアスリートの体を持っています。高校生にして彼らは野球の専門職なのです。甲子園を目指すのであれば、テレビで見るようなドラフト候補と我らが国高の選手は勝負しないといけないのです。

この状況でOB会はどのような支援をすべきなのでしょうか。

まずは選手達の意見を聞くことだと思います。学校の制度、予算などで解決できない問題をOB会で支援して、選手により良い環境を提供することが一番です。ただ、高校時代の自分自身を考えても、何が必要か、何が足りないのかを選手が理解できているかと言われれば微妙です。

ある程度は先輩としての経験を生かしたサポートも必要なのかもしれません、個人的には自分達が受けたように、外部指導者による指導、練習メニュー作成はしてあげたいと思います。顧問の先生が専門知識をお持ちであれば良いのですが、やはり専門指導者の存在は大きいです。専門的な知識・理論に裏付けられた三年間の練習と、裏付けのない三年間の練習(自主練中心)と、どちらが選手のためになるのかは明白です。

また、資金力の面では父母会もなかなか強いとお聞きしました。せっかくですからOB会と父母会で協力できれば、より良い環境を作ることができるかもしれません。親の熱はいつの時代も激しいものです。先日、母の遺品整理をしていましたら当時の新聞記事や、父母会の分厚い記録アルバムやら、オリジナルのなにやら、ものすごい量が出てきました。職業柄、国高野球部の夏大会を追った特別号外なんぞ発行したら売れるなぁと考えてしまいましたが…。

高校野球は学生スポーツであり、勝利至上主義ではないとわかってはおります。

しかし選手達も、応援するOB会や父母会においても共通の目的は「勝利」です。この勝利に向けて協力・協調していければ最高です。北島先輩(S63卒)の寄稿にもございましたが、先生方で手が足りなければ「OB会でも親御さんでも垣根なく協力しあえる」そんな野球部となって欲しいと思います。

野球部が強くなり、神宮、いや甲子園の地で校歌斉唱できる日を心待ちにしております。

ただ、もしかしますと、マスターズ甲子園への参加でOB会が先に甲子園の地を踏むかもしれませんね。こちらもOB会一丸で頑張れればと思います。ご参加をお願いいたします!

お問い合わせはメールにてお願いします。

  • Facebook
  • Hatena
  • twitter
  • Google+
PAGETOP
Copyright © 東京都立国立高校野球部OB会 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.